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編集部
一、はじめに
台湾民事訴訟法第447条第1項には「当事者は、新たな攻撃方法または防御方法を提出することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りではない。
(一)第一審裁判所が法令に違反したため提出することができなかった場合。
(二)当該事実が第一審の口頭弁論終結後に発生した場合。
(三)第一審において既に提出された攻撃方法または防御方法を補充する場合。
(四)当該事実が裁判所に顕著である場合、裁判所が職務上既知である場合、あるいは職権により証拠調べをすべき場合。
(五)その他の、当事者の責めに帰することのできない事由により、第一審において提出することができなかった場合。
(六)これを提出させないことが著しく不公平となる場合。」との規定が明白に記載されています。
また、これによれば、民事訴訟の第二審には厳格な続審制が採用されており、原則として当事者は第二審において新たな攻撃方法または防御方法を提出することができません。しかし、当該新たな攻撃方法または防御方法が、民事訴訟法第447条第1項ただし書、および第463条により準用される第276条第1項各号に該当する場合には、当然に失権の効果が生じるものではありません(最高裁判所2021年台上字第244号民事判決をご参照ください)。もっとも、特許侵害訴訟においては、被疑侵害者が第一審で損害賠償を命じられた後、第二審または差戻審において、特許無効の事由に関する新たな攻撃防御方法を可能な限り提出する傾向があります。この点につき、いかなる場合に裁判所がこれを許容するのかについて、以下にて説明します。
二、判決例
I. 智慧財產及び商業裁判所2022年度民専上字第39号民事判決
一、はじめに
台湾民事訴訟法第447条第1項には「当事者は、新たな攻撃方法または防御方法を提出することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りではない。
(一)第一審裁判所が法令に違反したため提出することができなかった場合。
(二)当該事実が第一審の口頭弁論終結後に発生した場合。
(三)第一審において既に提出された攻撃方法または防御方法を補充する場合。
(四)当該事実が裁判所に顕著である場合、裁判所が職務上既知である場合、あるいは職権により証拠調べをすべき場合。
(五)その他の、当事者の責めに帰することのできない事由により、第一審において提出することができなかった場合。
(六)これを提出させないことが著しく不公平となる場合。」との規定が明白に記載されています。
また、これによれば、民事訴訟の第二審には厳格な続審制が採用されており、原則として当事者は第二審において新たな攻撃方法または防御方法を提出することができません。しかし、当該新たな攻撃方法または防御方法が、民事訴訟法第447条第1項ただし書、および第463条により準用される第276条第1項各号に該当する場合には、当然に失権の効果が生じるものではありません(最高裁判所2021年台上字第244号民事判決をご参照ください)。もっとも、特許侵害訴訟においては、被疑侵害者が第一審で損害賠償を命じられた後、第二審または差戻審において、特許無効の事由に関する新たな攻撃防御方法を可能な限り提出する傾向があります。この点につき、いかなる場合に裁判所がこれを許容するのかについて、以下にて説明します。
二、判決例
I. 智慧財產及び商業裁判所2022年度民専上字第39号民事判決
- 当事者が民事訴訟法第447条第1項ただし書に基づき新たな攻撃防御方法を提出する場合、同条第2項の規定により、当該当事者は釈明責任を負うものとされています。もっとも、裁判長または受命裁判官が当該新たな攻撃防御方法を争点として整理し、当事者が当該争点について申立てや陳述を行ったことから、当該当事者が裁判長または受命裁判官による提出許可を得られるに至った場合には、裁判長または受命裁判官は、釈明義務を行使して当該当事者に同条第2項に基づく釈明を尽くさせる前に、釈明がないことを理由としてこれを却下することはできません。これは、手続法上の信義誠実の原則に満たすためです(最高裁判所2020年台上字第2029号民事判決をご参照)。
- 本件において、被上訴人(被疑侵害者)は控訴審において、新証拠として証拠1、証拠2、証拠3、証拠4および証拠5に関する証拠の組合せを追加し、係争特許1および2が進歩性を欠く旨を主張しました。裁判所は、これら新たに提出された、特許無効化となる証拠の組合せは、実質的には第一審において既に提出された攻撃防御方法の補充に当たると認定しました。また、当事者双方は当該新たな特許無効の争論を本件の争点として整理することに同意し、十分な攻撃防御が尽くされており、訴訟の遅延も生じていないと判断されました。さらに、追加された特許無効に関する証拠の争点は、特許権者がその権利を主張できるか否かという核心に関わるものであり、これを提出させない場合には公平を欠くおそれがあります。したがって、民事訴訟法第447条第1項第3号および第6号等の規定に基づき、被上訴人による新たな特許無効化とする証拠の組合せの提出が許可されました。
II. 智慧財產及び商業裁判所2022年度民専上更一字第13号民事判決
本件において、被上訴人は前審において既に乙第2号証を援用し、係争特許の請求項1、4および6が新規性および進歩性を欠く旨を主張しており、当該主張は争点として整理されたうえで実質的な審理および判断がなされていました。その後の差戻審においても、被上訴人は引き続き乙第2号証に基づき、係争特許の請求項1、4および6が新規性および進歩性を欠く旨を主張しましたが、進歩性に関する主張の論述および対比方法について調整を行い、すなわち乙第2号証における別の実施形態(すなわち「方式a」および「方式d」の技術内容)を組み合わせて主張するに至りました。もっとも、これらの実施形態はいずれも前審の対比表に既に記載されていたものです。
したがって、裁判所は、被上訴人の主張は既存の攻撃防御方法を補充するにとどまるものであり、訴訟を遅延させるものではないと判断しました。そのため、民事訴訟法第447条第1項第3号の規定に基づき、これを許可しました。
III. 智慧財產及び商業裁判所2024年度民専上更一字第4号民事判決
- 本件において、被上訴人は差戻審において「取付説明書(証1)」を提出し、これにより係争特許が「新規性」を欠く旨を立証しようとしました。もっとも、被上訴人は原審および前審においては「進歩性欠如」のみを争っており、差戻審に至って初めて「新規性欠如」の抗弁を提出しました。被上訴人は、「原審において既に係争特許の有効性について争っていたことから、差戻審において前記証1を提出して新規性欠如を主張することは、原審において提出した攻撃方法の補充にすぎない」ことと、「上告後に初めて前記証1に関する資料を取得したため、原審および前審の事実審において提出することは不可能であった」と主張しました。さらに、被上訴人は、前記主張により、「これは被上訴人の責めに帰することのできない事由に該当し、その提出を許さないことは著しく不公平を招くおそれがあるとして、当該提出は民事訴訟法第447条第1項ただし書第3号、第5号および第6号の要件を満たすものである」旨を主張しました。
- これに対し上訴人は新たな争点の追加に同意せず、さらに前記証1の出所が不明であるとして、その成立の真正を争いました。裁判所は、被上訴人が差戻審に至って初めて新規性欠如の無効主張を提出したことは、明らかに時機に後れた新たな攻撃防御方法の提出であり、原審において既に提出された攻撃または防御方法の補充には該当しないと判断しました。また、被上訴人は原審または前審においてこれを提出できなかった正当な理由についても十分に釈明していないと認定されました。したがって、被上訴人が差戻審において新規性欠如の無効事由を主張することは、前記民事訴訟法第447条第1項第3号および第5号等の規定には該当しないと判断されました。
三、結論
以上の判決からみますと、被疑侵害者が新たな無効証拠を提出する場合において、主張する無効事由または証拠の組合せが原審に見られないものであり、かつ相手方がこれに同意しないときは、裁判所はこれを時機に後れて提出された攻撃防御方法と認定し、却下する傾向にあります。
これに対し、同一の証拠および無効事由の範囲内において、証拠中の別の実施形態を組み合わせて論述するにとどまる場合には、裁判所はこれを攻撃防御方法の補充にすぎないと認定する傾向にあります。
したがって、特許訴訟における被疑侵害者にとっては、無効化とする証拠およびその主張の提出時期に特に留意する必要があります。とりわけ、台湾の智慧財産案件審理法第18条第7項の規定によれば、当事者が審理計画の策定後に新たな攻撃防御方法を提出する場合には、訴訟の遅延を招かないこと、または自己に帰責できない事由があることを釈明しなければ、これを本案審理に併合することはできません。
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