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BY 編集部
台湾知的財産局は、2024年9月1日から「外部審査官との電話コミュニケーション及びリモート面接の最適化プラン」をスタートしました。
この新たな措置によれば、知的財産局の電話システムにおける三者間会議機能により、特許発明の出願人又はその代理人は、外部審査官及び知的財産局の担当審査官と直接話し合いをすることができ、コミュニケーション及び意見交換ができるようになりました。
一方、案件の技術内容が複雑であり、或いは、案件に操作や実演が必要である場合、リモート面接、つまり、特許発明の出願者と、外部審査官と、知的財産局の担当審査官との三者間のリモート面接を直接行うことができますので、特許発明の品質や審査効率の向上に繋がると期待されています。
詳細については、以下の「特許発明の審査における電話コミュニケーション及び面接に関するQ&A」の和訳をご参照ください。
一.電話コミュニケーションについて
Q1:出願人は、いつから電話コミュニケーションを利用できますか?
A:一般的に、出願人は、当局が発行する審査意見通知書(OA)を受け取った後、確認又は明らかにする必要があると判断した場合、その通知書に記載されている担当審査官の電話番号を通じて、当局に関連する質問を問い合わせることができます。
Q2:案件に係る電話コミュニケーションは、出願人本人しかできませんか?
A:出願人本人に限られません。
出願人による電話コミュニケーションにおいて、当局は、通話者が確かに当該出願の関連者であるかについて確認する必要があります。尚、電話コミュニケーションできる関連者には、出願人本人、代理人、又は出願人や代理人の従業員が含まれます。
Q3:出願人が、電話コミュニケーションをもって、答申理由書の提出や面接に代えることは可能ですか?
回答:できません。
専利法第19条及び専利法施行細則第2条によりますと、特許審査手続は、書面又は電子的に行われます。当局の特許審査に関する電話コミュニケーションはサービスに過ぎず、発行した審査意見通知書に対する、答申理由書や補正書の提出の指定期限に影響を与えることはなく、審査官は、専利法及び専利審査基準の関連規定に従って手続を進めなければいけませんが、係る案件は、電話コミュニケーションで対処すればよいものである場合には、当局は、出願人又は代理人に後続手続きの根拠として「電話コミュニケーション記録表」を提供することができます。
Q4:「電話コミュニケーション記録表」の役割とそこに記載される内容は何ですか?
A:出願に関する電話コミュニケーションを利用する際、審査官は、「電話コミュニケーション記録表」に「質問内容、話し合いの過程、合意した期日、確認事項及び双方の今後の手続」等を記録し、案件のコミュニケーション記録の管理や将来の参考資料とするために保管します。尚、出願人又は代理人は、当局に後続手続きの根拠として電話コミュニケーション記録の提供を要求すれば、審査官は、この記録表をFAX又は電子メールにより提供することになります。
Q5:外部審査官が担当する特許案件に関して、出願人は、直接外部審査官と電話でコミュニケーションを取ることができますか?
A:出願人又は代理人、外部審査官、及び当局の担当者は、当局の電話システムにおける三者間会議機能により話し合いをすることができます。
出願人は、当局が発行した審査意見通知書を受け取った後、その通知書に記載されている担当者に連絡をとり、「電話による三者間会議で外部審査官と話し合いを行うことは適切であるか」について確認しており、また、担当者は検討してから、適切な返答期限を決定します。また、電話による三者間会議の時間は、原則として20分に制限されており、経費の関係上、当局の電話システムには、通話切断機能が設定されています。
Q6:出願人が電話による話し合いを通じて問い合わせた質問について担当者が即座に返答できない場合、どのように対処しますか?
A:担当者は、その場で即座に返答できない場合、「その質問が電話による話し合いに適しているかどうか」を判断する必要があります。
1.電話による話し合いが適切であると判断した場合:
担当者は、即座に返答できない理由を説明すべきであり、その理由としては、例えば、「問い合わせ内容は、引用文献の技術内容と比較してから判断する必要があり、確認に時間がかかる」や、「外部審査官と連絡して、スケジュールや審査内容の検討及び確認が必要である」などが考えられます。
尚、この時、審査官は、返答に関わる必要な時間を見積もり、当事者に対して、適切な返答期限を約束します。
2.電話による話し合いが不適切又は困難な場合:
担当者は、電話コミュニケーションを行ってから、電話による話し合いが不適切又は困難であると判断した場合、当事者にその理由を説明する必要があり、その理由としては、例えば、「複雑な技術内容であることから、電話コミュニケーションで検討することが難しい」や、「外部審査官と相談した結果、電話での話し合いをスムーズに進行することができないと判断した」などが考えられます。尚、この場合、担当者は当事者に対し、「面接の申請を行うか」について提案することができます。
3.面接の提案:
担当者は、質問が電話による話し合いに適していないが、面接の申請を提案した方がよいと判断した時、例えば、「事案が複雑であり、引例の複数の段落や図面と照合することにより明確に説明してもらう必要がある」場合、「外部審査官を当局に呼び、出願人と具体的な技術内容について対面で詳細に討論させる必要がある」場合、或いは、「現場で操作や実演する必要がある」場合、担当者は、当事者に対し、面接の申請を本局に提出するよう提案することができます。
4.面接の提出が必要ではない場合:
事案が既に明確であり、審査官が「面接を行う必要がない」と判断した場合、例えば、「提出された特許発明が、明らかに発明の定義を満たしていない」場合や、「出願と引用文献の技術特徴を対比した結果、補正をしたとしても、特許が認められない事項を克服できなく、且ついかなる請求項の発明も特許が認められる可能性がない」場合、当事者に面接の申請を勧めることはありませんが、出願人が電話による話し合いを継続したいと希望する場合、審査官は出願人に対し、話し合いたい事項を答申理由書や補正書で提出するよう勧め、答申理由書や補正書が提出された場合、当局は書面資料に基づいて詳細に審査し、その結果を出願人に通知します。
5.案件が、やや補正することにより特許が認められない事項を克服できるものに該当しない場合、電話による話し合いは適切ではないことから、審査官は出願人に対し、書面でのやり取りが適切であることを通知すべきであります。
Q7:出願人からの質問に対して、審査官は全て応答する必要がありますか?
A:必要ではありません。
以下に示す、「出願と無関係な事項の質問」に対して、審査官は電話コミュニケーションにおいて返答することは禁じられます。前記質問とは、例えば、他の件に関する質問や、外部審査官の個人情報(氏名、住所、電話など)に関する質問、「当局外において対面での話し合いが可能かどうかの確認(但し、面接の作業要点に従い、当局の各地のサービスセンターで面接を行うことは可能です)」、「単に特許が許可されるかどうかの問い合わせ」等であります。
Q8:電話コミュニケーションにおいて、審査官がある程度見解を示しましたたが、それに応じて出願人が答申理由書や補正書を提出した後に、審査官は新たな事実や証拠が発見された場合、それに基づいて出願を拒絶査定することはありますか?
A:審査官は出願人の質問に対して、ある程度見解を示すことにより、出願人は論点を絞ることができますが、その見解が、現在の資料に基づくものであります。もし出願人が答申理由書や補正書を提出した後に、審査官が新たな事実や証拠を発見し、以前の見解を否定するに足る場合には、出願人の手続上の権利を保護するために、当局は、再び審査意見通知書を発行し、出願人に対し、再び答申理由書や補正書の提出機会を提供することになります。
Q9:出願人による補正後の明細書、特許請求の範囲又は図面に関し、わずかな補正で拒絶理由を克服できる場合、審査官側から電話コミュニケーションを行って、出願人に補正の機会を与えることで、迅速に特許を取得できるようにすることは可能ですか?
A:審査官が、出願人から提出された答申及び補正について、わずかな補正で特許拒絶理由を克服できると判断した場合に、電話コミュニケーションを図ることは、出願人に質の高いサービスを提供するためであり、また、先に発行された審査意見通知書には不当性がないため、再度審査意見通知書が発行されることはありません。ただし、本局は、出願人又は代理人のリクエストに応じて『電話コミュニケーション記録表』を後続手続きの根拠として発行することができます。つまり、その審査官が作成した『電話コミュニケーション記録表』については、本局が確認した後にFAXまたは電子メールで出願人又は代理人に送付し、確認・署名を受けた後、署名済みの記録表を本局へ返送してもらい、その後、双方が署名した電話コミュニケーション記録表の資料を1部受け取ることができます。
Q10:わずかな補正で拒絶理由を克服できる事項に対して、出願人又はその代理人が電話コミュニケーションにおいて、自発補正を行う意向を示した場合、答申期間の延長(2~3ヶ月)と同様に期間延長を請求することは可能ですか?
A:できません。
審査官が行う電話コミュニケーションは、迅速に特許を取得させるためのものであり、わずかな補正で拒絶理由を克服できる事項について、その電話において既に「補正書を提出されたい」との旨を要求していることから、答申期間の延長(2~3ヶ月)のような期間延長請求を認める必要はありません。
二、面接作業
Q1:面接時に、出願人は審査官に対して心証の開示を要求し、面接の効率化を図ることはできますか?
A:面接の目的は、特許審査中において、審査官が出願人又はその代理人と有効なコミュニケーションを図り、出願人が質の高い発明特許を取得できるよう積極的にサポートすることにあることから、審査官は面接前に案件の全容を把握した上で、関連資料を準備し、面接時に確認したい事項を整理しておくべきであり、もし出願人に事前に準備又は説明してほしい事項がある場合、審査官は面接前に通知する必要があります。また、面接の進行は、審査官が主導し、確認すべき事項について順に出願人に説明を求め、出願人からの質問に対しては、引用文献や専利法の関連規定に基づき、面接時点での心証を述べたり、状況に応じて積極的にアドバイスを与えます。ただし、後に過去の見解を否定するに足る新たな事実を発見した場合には、具体的な理由を記載した通知書を再度発行し、出願人に答申や補正を求めます。
Q2:出願人は、面接前又は面接時に、相談したい補正案を複数提出することはできますか?
A:出願人が面接申請書の提出により面接を申請する場合には、面接申請書においてどの補正書に基づくかを明示し、面接で検討してほしい事項や説明を具体的に記載する必要があります。また、面接時に審査官と補正案を基に、他の補正の可能性を討論したい場合、面接申請書と共に補正案及びその理由を提出することはできますが、複数の補正案を提出することは適切ではありません。
Q3:面接時に、面接申請書に記載されていない事項についても相談することは可能ですか?
A:出願人は、審査官と円滑にコミュニケーションを図るために、面接申請書に面接事項を明記すべきであります。原則的に面接時の相談については、申請書に記載された面接事項が焦点となりますが、審査意見通知書に記載された拒絶理由の範囲内であれば、審査官が案件内容をより理解するために、面接申請書に記載されている事項に限りません。ただし、面接の効果を高めるために、審査官は出願人に準備を依頼する事項があれば、面接前に通知すべきであります。面接時に出願人が答申や補正の必要性を表明した場合、審査官は面接記録表にその内容と提出期限を記載しなければいけません。また、面接後、審査官が現時点での見解を否定するに足る新たな事実が発見された場合には、具体的な理由を記載した通知書を再度発行し、出願人に答申および補正を求めることになります。
Q4:面接記録の内容は、特許公開情報検索システムで公開されますか?
A:公開されません。
より明確、合理的且つ予測可能な審査意見通知書と比べて、面接は、発明特許の実体審査期間中に審査官が出願人又はその代理人と有効なコミュニケーションを図るためのものであり、補助的又は補充的なものであることから、面接記録の内容は、特許公開情報検索システムで公開されません。尚、面接記録は、特許公開情報検索システムで閲覧できませんが、出願人は、「特許閲覧作業要点」に基づき、本特許発明に関する包袋書類における面接記録表の閲覧を申請することができます。
Q5:出願人は面接時に、自分の意見を述べる機会をどのように確保できますか?再度面接の申請を行うことは可能ですか?
A:面接を行う際、審査官は出願人に、事前に準備又は説明してほしい事項があれば、面接前に通知し、できる限り、出願人に対する突然の要求を避けるようにします。また、出願人は更なる答申や説明を行う必要があると判断した場合、面接記録表に簡単の答申内容及び提出期限を記載することができます。再面接の申請についてですが、審査官が、案件の状況は既に明確であり、面接の必要はないと判断した場合、面接申請は認めず、その理由を査定書に記載します。ただし、案件が未だ明確していない場合、権利保護の点から再度の面接申請を認めることは可能です。
Q6:リモート面接の申請条件は何ですか?
A:出願人又は代理人は本局に、特許出願に対してリモート面接を申請することができ、そのリモート面接は、本局が規定するソフトウェア及びハードウェア機器を備え、良好な通話品質を維持できる非公開の場所で行うべきであります。また、出願を外部審査官が審査する場合でも、外部審査官が、本局が規定するソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク帯域幅を備え、静かでコミュニケーションに適した非公開の場所であることが確認されれば、リモート面接を行うことが可能です。
※詳細については、ipdept@taie.com.twまでお問い合わせ下さい。
台湾知的財産局は、2024年9月1日から「外部審査官との電話コミュニケーション及びリモート面接の最適化プラン」をスタートしました。
この新たな措置によれば、知的財産局の電話システムにおける三者間会議機能により、特許発明の出願人又はその代理人は、外部審査官及び知的財産局の担当審査官と直接話し合いをすることができ、コミュニケーション及び意見交換ができるようになりました。
一方、案件の技術内容が複雑であり、或いは、案件に操作や実演が必要である場合、リモート面接、つまり、特許発明の出願者と、外部審査官と、知的財産局の担当審査官との三者間のリモート面接を直接行うことができますので、特許発明の品質や審査効率の向上に繋がると期待されています。
詳細については、以下の「特許発明の審査における電話コミュニケーション及び面接に関するQ&A」の和訳をご参照ください。
一.電話コミュニケーションについて
Q1:出願人は、いつから電話コミュニケーションを利用できますか?
A:一般的に、出願人は、当局が発行する審査意見通知書(OA)を受け取った後、確認又は明らかにする必要があると判断した場合、その通知書に記載されている担当審査官の電話番号を通じて、当局に関連する質問を問い合わせることができます。
Q2:案件に係る電話コミュニケーションは、出願人本人しかできませんか?
A:出願人本人に限られません。
出願人による電話コミュニケーションにおいて、当局は、通話者が確かに当該出願の関連者であるかについて確認する必要があります。尚、電話コミュニケーションできる関連者には、出願人本人、代理人、又は出願人や代理人の従業員が含まれます。
Q3:出願人が、電話コミュニケーションをもって、答申理由書の提出や面接に代えることは可能ですか?
回答:できません。
専利法第19条及び専利法施行細則第2条によりますと、特許審査手続は、書面又は電子的に行われます。当局の特許審査に関する電話コミュニケーションはサービスに過ぎず、発行した審査意見通知書に対する、答申理由書や補正書の提出の指定期限に影響を与えることはなく、審査官は、専利法及び専利審査基準の関連規定に従って手続を進めなければいけませんが、係る案件は、電話コミュニケーションで対処すればよいものである場合には、当局は、出願人又は代理人に後続手続きの根拠として「電話コミュニケーション記録表」を提供することができます。
Q4:「電話コミュニケーション記録表」の役割とそこに記載される内容は何ですか?
A:出願に関する電話コミュニケーションを利用する際、審査官は、「電話コミュニケーション記録表」に「質問内容、話し合いの過程、合意した期日、確認事項及び双方の今後の手続」等を記録し、案件のコミュニケーション記録の管理や将来の参考資料とするために保管します。尚、出願人又は代理人は、当局に後続手続きの根拠として電話コミュニケーション記録の提供を要求すれば、審査官は、この記録表をFAX又は電子メールにより提供することになります。
Q5:外部審査官が担当する特許案件に関して、出願人は、直接外部審査官と電話でコミュニケーションを取ることができますか?
A:出願人又は代理人、外部審査官、及び当局の担当者は、当局の電話システムにおける三者間会議機能により話し合いをすることができます。
出願人は、当局が発行した審査意見通知書を受け取った後、その通知書に記載されている担当者に連絡をとり、「電話による三者間会議で外部審査官と話し合いを行うことは適切であるか」について確認しており、また、担当者は検討してから、適切な返答期限を決定します。また、電話による三者間会議の時間は、原則として20分に制限されており、経費の関係上、当局の電話システムには、通話切断機能が設定されています。
Q6:出願人が電話による話し合いを通じて問い合わせた質問について担当者が即座に返答できない場合、どのように対処しますか?
A:担当者は、その場で即座に返答できない場合、「その質問が電話による話し合いに適しているかどうか」を判断する必要があります。
1.電話による話し合いが適切であると判断した場合:
担当者は、即座に返答できない理由を説明すべきであり、その理由としては、例えば、「問い合わせ内容は、引用文献の技術内容と比較してから判断する必要があり、確認に時間がかかる」や、「外部審査官と連絡して、スケジュールや審査内容の検討及び確認が必要である」などが考えられます。
尚、この時、審査官は、返答に関わる必要な時間を見積もり、当事者に対して、適切な返答期限を約束します。
2.電話による話し合いが不適切又は困難な場合:
担当者は、電話コミュニケーションを行ってから、電話による話し合いが不適切又は困難であると判断した場合、当事者にその理由を説明する必要があり、その理由としては、例えば、「複雑な技術内容であることから、電話コミュニケーションで検討することが難しい」や、「外部審査官と相談した結果、電話での話し合いをスムーズに進行することができないと判断した」などが考えられます。尚、この場合、担当者は当事者に対し、「面接の申請を行うか」について提案することができます。
3.面接の提案:
担当者は、質問が電話による話し合いに適していないが、面接の申請を提案した方がよいと判断した時、例えば、「事案が複雑であり、引例の複数の段落や図面と照合することにより明確に説明してもらう必要がある」場合、「外部審査官を当局に呼び、出願人と具体的な技術内容について対面で詳細に討論させる必要がある」場合、或いは、「現場で操作や実演する必要がある」場合、担当者は、当事者に対し、面接の申請を本局に提出するよう提案することができます。
4.面接の提出が必要ではない場合:
事案が既に明確であり、審査官が「面接を行う必要がない」と判断した場合、例えば、「提出された特許発明が、明らかに発明の定義を満たしていない」場合や、「出願と引用文献の技術特徴を対比した結果、補正をしたとしても、特許が認められない事項を克服できなく、且ついかなる請求項の発明も特許が認められる可能性がない」場合、当事者に面接の申請を勧めることはありませんが、出願人が電話による話し合いを継続したいと希望する場合、審査官は出願人に対し、話し合いたい事項を答申理由書や補正書で提出するよう勧め、答申理由書や補正書が提出された場合、当局は書面資料に基づいて詳細に審査し、その結果を出願人に通知します。
5.案件が、やや補正することにより特許が認められない事項を克服できるものに該当しない場合、電話による話し合いは適切ではないことから、審査官は出願人に対し、書面でのやり取りが適切であることを通知すべきであります。
Q7:出願人からの質問に対して、審査官は全て応答する必要がありますか?
A:必要ではありません。
以下に示す、「出願と無関係な事項の質問」に対して、審査官は電話コミュニケーションにおいて返答することは禁じられます。前記質問とは、例えば、他の件に関する質問や、外部審査官の個人情報(氏名、住所、電話など)に関する質問、「当局外において対面での話し合いが可能かどうかの確認(但し、面接の作業要点に従い、当局の各地のサービスセンターで面接を行うことは可能です)」、「単に特許が許可されるかどうかの問い合わせ」等であります。
Q8:電話コミュニケーションにおいて、審査官がある程度見解を示しましたたが、それに応じて出願人が答申理由書や補正書を提出した後に、審査官は新たな事実や証拠が発見された場合、それに基づいて出願を拒絶査定することはありますか?
A:審査官は出願人の質問に対して、ある程度見解を示すことにより、出願人は論点を絞ることができますが、その見解が、現在の資料に基づくものであります。もし出願人が答申理由書や補正書を提出した後に、審査官が新たな事実や証拠を発見し、以前の見解を否定するに足る場合には、出願人の手続上の権利を保護するために、当局は、再び審査意見通知書を発行し、出願人に対し、再び答申理由書や補正書の提出機会を提供することになります。
Q9:出願人による補正後の明細書、特許請求の範囲又は図面に関し、わずかな補正で拒絶理由を克服できる場合、審査官側から電話コミュニケーションを行って、出願人に補正の機会を与えることで、迅速に特許を取得できるようにすることは可能ですか?
A:審査官が、出願人から提出された答申及び補正について、わずかな補正で特許拒絶理由を克服できると判断した場合に、電話コミュニケーションを図ることは、出願人に質の高いサービスを提供するためであり、また、先に発行された審査意見通知書には不当性がないため、再度審査意見通知書が発行されることはありません。ただし、本局は、出願人又は代理人のリクエストに応じて『電話コミュニケーション記録表』を後続手続きの根拠として発行することができます。つまり、その審査官が作成した『電話コミュニケーション記録表』については、本局が確認した後にFAXまたは電子メールで出願人又は代理人に送付し、確認・署名を受けた後、署名済みの記録表を本局へ返送してもらい、その後、双方が署名した電話コミュニケーション記録表の資料を1部受け取ることができます。
Q10:わずかな補正で拒絶理由を克服できる事項に対して、出願人又はその代理人が電話コミュニケーションにおいて、自発補正を行う意向を示した場合、答申期間の延長(2~3ヶ月)と同様に期間延長を請求することは可能ですか?
A:できません。
審査官が行う電話コミュニケーションは、迅速に特許を取得させるためのものであり、わずかな補正で拒絶理由を克服できる事項について、その電話において既に「補正書を提出されたい」との旨を要求していることから、答申期間の延長(2~3ヶ月)のような期間延長請求を認める必要はありません。
二、面接作業
Q1:面接時に、出願人は審査官に対して心証の開示を要求し、面接の効率化を図ることはできますか?
A:面接の目的は、特許審査中において、審査官が出願人又はその代理人と有効なコミュニケーションを図り、出願人が質の高い発明特許を取得できるよう積極的にサポートすることにあることから、審査官は面接前に案件の全容を把握した上で、関連資料を準備し、面接時に確認したい事項を整理しておくべきであり、もし出願人に事前に準備又は説明してほしい事項がある場合、審査官は面接前に通知する必要があります。また、面接の進行は、審査官が主導し、確認すべき事項について順に出願人に説明を求め、出願人からの質問に対しては、引用文献や専利法の関連規定に基づき、面接時点での心証を述べたり、状況に応じて積極的にアドバイスを与えます。ただし、後に過去の見解を否定するに足る新たな事実を発見した場合には、具体的な理由を記載した通知書を再度発行し、出願人に答申や補正を求めます。
Q2:出願人は、面接前又は面接時に、相談したい補正案を複数提出することはできますか?
A:出願人が面接申請書の提出により面接を申請する場合には、面接申請書においてどの補正書に基づくかを明示し、面接で検討してほしい事項や説明を具体的に記載する必要があります。また、面接時に審査官と補正案を基に、他の補正の可能性を討論したい場合、面接申請書と共に補正案及びその理由を提出することはできますが、複数の補正案を提出することは適切ではありません。
Q3:面接時に、面接申請書に記載されていない事項についても相談することは可能ですか?
A:出願人は、審査官と円滑にコミュニケーションを図るために、面接申請書に面接事項を明記すべきであります。原則的に面接時の相談については、申請書に記載された面接事項が焦点となりますが、審査意見通知書に記載された拒絶理由の範囲内であれば、審査官が案件内容をより理解するために、面接申請書に記載されている事項に限りません。ただし、面接の効果を高めるために、審査官は出願人に準備を依頼する事項があれば、面接前に通知すべきであります。面接時に出願人が答申や補正の必要性を表明した場合、審査官は面接記録表にその内容と提出期限を記載しなければいけません。また、面接後、審査官が現時点での見解を否定するに足る新たな事実が発見された場合には、具体的な理由を記載した通知書を再度発行し、出願人に答申および補正を求めることになります。
Q4:面接記録の内容は、特許公開情報検索システムで公開されますか?
A:公開されません。
より明確、合理的且つ予測可能な審査意見通知書と比べて、面接は、発明特許の実体審査期間中に審査官が出願人又はその代理人と有効なコミュニケーションを図るためのものであり、補助的又は補充的なものであることから、面接記録の内容は、特許公開情報検索システムで公開されません。尚、面接記録は、特許公開情報検索システムで閲覧できませんが、出願人は、「特許閲覧作業要点」に基づき、本特許発明に関する包袋書類における面接記録表の閲覧を申請することができます。
Q5:出願人は面接時に、自分の意見を述べる機会をどのように確保できますか?再度面接の申請を行うことは可能ですか?
A:面接を行う際、審査官は出願人に、事前に準備又は説明してほしい事項があれば、面接前に通知し、できる限り、出願人に対する突然の要求を避けるようにします。また、出願人は更なる答申や説明を行う必要があると判断した場合、面接記録表に簡単の答申内容及び提出期限を記載することができます。再面接の申請についてですが、審査官が、案件の状況は既に明確であり、面接の必要はないと判断した場合、面接申請は認めず、その理由を査定書に記載します。ただし、案件が未だ明確していない場合、権利保護の点から再度の面接申請を認めることは可能です。
Q6:リモート面接の申請条件は何ですか?
A:出願人又は代理人は本局に、特許出願に対してリモート面接を申請することができ、そのリモート面接は、本局が規定するソフトウェア及びハードウェア機器を備え、良好な通話品質を維持できる非公開の場所で行うべきであります。また、出願を外部審査官が審査する場合でも、外部審査官が、本局が規定するソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク帯域幅を備え、静かでコミュニケーションに適した非公開の場所であることが確認されれば、リモート面接を行うことが可能です。
※詳細については、ipdept@taie.com.twまでお問い合わせ下さい。