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05.30.2013
「BURBERRY CHECK(Black & White)」商標登録認められず



知的財産裁判所101年度行商訴字第136号行政判決の概要

原 告:イギリス企業・Burberry Limited
被 告:経済部智慧財産局(特許庁)

判決の概要:

事実:

原告は、本件商標「BURBERRY CHECK(Black & White)」をもって2008年7月22日に台湾特許庁に商標出願を行ったが、2010年10月27日に拒絶査定を受けた。その後原告は、拒絶査定を不服として経済部に対して訴願を提起し、経済部は2011年3月14日に「本件商標は、後天的識別力の有無について再審すべきである」との審決を下した。しかしながら、被告は、再審の結果、「本件商標には先天的識別力を有しないと共に、後天的識別力も足りない」との理由により拒絶査定を維持した。このことから、原告は再度経済部に対して訴願を提起したが、2012年7月4日に「本件審判請求は成立しない」との審決が下されたので、原告は知的財産裁判所に行政訴訟を提起した。


原告の主張:

本件商標は、原告によって長年にわたって使用されることにより、既に商標としての識別力を取得していると共に、その特殊なチェック柄の設計をもって、如何なる色彩としても、消費者はそれを原告の商標として認識することができる。

又、本件商標は既に、オーストラリア、カナダ、欧州連合、WIPO、イギリス、アメリカ、日本、韓国(国際登録)、インドネシア、マレーシア、フィリピンにおいて商標登録を受けていることから、識別力を有するものであることが分かる。

 


被告の主張:

本件商標は、重複する太線及び細線を縦横に配置させてなるチェックから構成されたものであり、又、一般社会通念上、消費者は、該チェック柄のデザインが商品そのもの又はその包装容器を装飾する図案であると認識しており、その商品の出所を表彰する標識として認識することができないと共に、他人の商品と区別することもできないので、本件商標は先天的識別力を有しないものである。

原告が提出した使用資料によると、確かに本件商標のチェック柄が使用された事実は存在しているが、それは、有彩色での使用が多数を占めており、本件商標の出願態様である白黒の色彩での使用は相対に少ない。故に、本件商標は、後天的識別力を有するものと認められない。

尚、本件商標は白黒の色彩で出願したものであることから、一旦登録を受けた場合、該商標権の権利範囲はその他の色彩のチェック柄まで及ぶ可能性があるので、現地の同業者が該装飾図案を合理的に使用する自由に悪影響を与える虞がある。
本件商標について、原告が他国において登録証を獲得したとしても、商標権の属地主義の原則により、各国における国情、法制、審査基準、商標の使用状況は異なることから、他国における例をそのまま本国に適用することはできない。

判決理由

原告側から、本件商標に先天的識別力を有しないとの異論は出ていないので、本件商標が後天的識別力を具備するものであるか否かについては、以下に述べる要件から総合的に判断する。

商標の指定商品又は役務への使用についての時間の長短、使用方式、並びに同業者の使用状況
商標の指定商品又は役務への使用についての売上高又は広告の数量
商標の指定商品又は役務への使用についての市場の配布資料、販売通路、販売先等
広告業者やマスコミ業者が提供した証拠
信頼性を有する機構が提供した証拠
他国の登録証
その他の識別力を有することを証明できる証拠

後天的識別力の有無に係る判断は、国内消費者の認知度を基準とするので、商標の使用実績は、国内における使用資料を提出すべきである。又、国外のものを提出する場合、国内の関連消費者がその国における使用状況を知り得る必要がある。

原告が提出した使用資料によると、本件商標の色彩である白黒の態様で使用したことを示す証拠が少ない。又、該資料のうちの幾つかは確かに国内における使用資料であるが、その他の資料が国内のものであるのか、国外のものであるのかについて区別できないと共に、国内消費者が国外における使用状況を知り得たことも立証できないことから、国内消費者が、本件商標をその商品の出所を表彰する標識として認識しているかについて確定できないので、本件商標が後天的識別力を具備するものと認めることができない。

原告は、「本件商標は既に、識別力を有するものとして他国において登録を受けている云々」と主張したが、商標権の属地主義及び商標権独立の原則によれば、各国における国情、商標法制、商標審査基準及び市場取引状況は異なることから、他国における審査結果は、本件商標の登録許可の根拠とはならない。

判決結果

知的財産裁判所は、商標の先天的識別力及び後天的識別力、並びに商標権の属地主義及び商標権独立の原則に基づき審査した結果、本件商標は、商標法第29条第1項第3号及び第2項の規定に違反していることから、登録を受けることができないと判断したので、原告に対して経済部の元審決を維持する判決を下した。

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