by編集部
近年、AI(Artificial Intelligence:人工知能)、ビッグデータ(Big Data)等の技術の飛躍的な発展につれて、各技術分野の新たな形態の適用及び発明が進み、それによってコンピュータソフトウェア関連発明の出願件数も増加している。故に、産業の変化及びイノベーションの保護などのニーズに応えるために、明確且つ一致性のある審査標準を構築すべく現行の審査基準の内容を調整する必要がある。以下に、今回の改正要点を説明する。
一、発明の定義(該当性)の判断原則の明確化
更なる技術効果及び「コンピュータの簡単な利用」等の関連内容を削除し、請求項の発明が該当性の判断対象であることや、関連の判断ステップ及びフローチャートについて明確に規定すると共に、各段落に事例を挙げて説明することにより、判断原則をより明確にする。
二、進歩性の関連内容と総則の内容との一致性の改正
現行の進歩性総則の内容に合わせて、「該発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者」、「進歩性が否定される要素」、及び「進歩性が肯定される要素」の関連段落を増訂する。又、現行の審査基準における「技術分野の転用」、「人間が行う作業方法のシステム化」、「従来のハードウェア技術が実行する機能のソフトウェア化」等を、「簡単な変更」との、進歩性が否定される要素として調整すると共に、他の態様を追加する。
三、人工知能関連審査事項及び事例の新設
(一)人工知能の応用分野はかなり広いので、医療分野の応用である発明に関し、その方法の発明が人間又は動物の診断、治療方法であるかについて注意すべきであり、そうである場合、法定の特許を受けることができない請求対象であることを、審査官に認識させる。
(二)改正後の該当性及び進歩性の関連内容に基づき、人工知能関連説明及び事例を取り入れ、十分に開示されていないことによる実施可能要件を満たさない状況を事例で説明する。
四、他の審査関連事項
(一)出願及び審査実務に合わせ、「物の請求項」については、構造上の制限条件の記載を必要としないことを明確に規定する。
(二)新たに、「請求項が不明確である場合」及び「明細書に支持されること」との段落を追加する。
(三)一般的な機能特定物(機能を用いて物を特定しようとする)及び手段機能用語(ミーンズ・プラス・ファンクション)の立証責任の割り当て分配に関することを明確に規定する。
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