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02.10.2014
専利法の「水際取締措置」に関する改正案が可決

我が国の立法院(国会)は、専利権(いわゆる特許、実用新案、意匠の三者を含む)に対する保障をより充実させるために、2014年1月3日に専利法の改正案を可決し、専利権の「水際取締措置」を新設した(専利法第九十七条の一~の四)。
 

改正法では、専利権者が、輸入品が専利権を侵害する疑いがあると判断した場合、税関に対して当該輸入品の差押えを申立てることができるようになった。
 

また、申立人と輸入者との間の権益のバランスを保つために、専利権者は、書面で差押えを申立てるべきであり、そのなかでは、専利権が侵害された事実を釈明し、また、担保金(又はそれに相当する担保)を供託しなければならない。尚、担保金の金額については、税関が推定した当該輸入品の課税価格に相当する金額となる。一方、税関が前記申立てを認めた場合、輸入者は、前記担保金の二倍の額の担保金(又はそれに相当する担保)を供託することにより、差押えの廃止を請求することができる。
 

申立人が、税関より差押えが認められたことを通知された日の翌日から起算して12日以内に、差押えられた物品が侵害物品であることについての訴訟提起及び税関への通知を行っていない場合、差押えは廃止されるとともに、申立人は、差押えられた物品に係るコンテナの遅延費用や、倉庫料金、積卸費用などを負担すべきである。
 

一方、訴えが裁判所に棄却され確定となった場合、差押えられた物品が専利権を侵害していないとの判決が裁判所より言い渡され確定となった場合、或いは申立人が、差押えの廃止を申し立てた場合も上記と同様に、差押えが廃止することとなる。
 

裁判所より、差押えられた物品が専利権を侵害していないとの判決が言渡され確定となった場合、申立人は、輸入者に対して、差押え又は担保金の供託で受けた損害を賠償すべきである。
 

また、裁判所より差押えられた物品が専利権を侵害しているとの判決が言渡され確定となった場合、輸入者は、差押えられた物品に係るコンテナの遅延費用や、倉庫料金、積卸費用などの費用を負担すべきである。
 

尚、改正法は、改正法の公布日から起算して2ヶ月以内に、水際取締措置に係る施行規則を完成させて施行される予定である。知的財産局は、2014年の3月末に当該措置を施行できるとみている。

 

水際保護措置

関係条文

専利法第九十七条の一~の四

申立人

専利権者

申立てを受ける機関

税関

申立ての内容

専利権を侵害する疑いのある輸入品を差押えること

申立ての要件

1.書面で申立てること
2.専利権が侵害された事実を釈明すること
3.担保金(又はそれに相当する担保)を供託すること

担保金の金額

税関が推定した当該輸入品の課税価格に相当する金額

差押えの廃止の請求

輸入者が担保金の二倍の額の担保金(又はそれに相当する担保)を供託する

差押えの廃止

1.申立人が、税関より差押えが認められたことを通知された日の翌日から起算して12日以内に、差押えられた物品が侵害物品であることについての訴訟提起及び税関への通知を行っていない場合
2.訴えが裁判所に棄却され確定となった場合
3.裁判所より、差押えられた物品が専利権を侵害していないとの判決が言渡され確定となった場合
4.申立人が、差押えの廃止を申し立てた場合
5.輸入者が担保金の二倍の額の担保金(又はそれに相当する担保)を供託した場合

差押えられた物品に係る費用が申立人の負担になる場合

上記の1~4の何れの場合

申立人が損害賠償責任を負う場合

裁判所より、差押えられた物品が専利権を侵害していないとの判決が言渡され確定となった場合

損害賠償の範囲

差押え又は担保金の供託により生じた損害

差押えられた物品に係る費用が輸入者の負担になる場合

裁判所より、差押えられた物品が専利権を侵害しているとの判決が言渡され確定となった場合

公布日

2014年1月22日(総統により公布された)

施行予定日

2014年3月末

 

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